二、霊峰「大山」 ― 相模嶺・相模川

相模国の山々すなわち「相模嶺(さがむね)」と詠まれる山々がありました。相模国には足柄、箱根、丹沢などの山々があります。
「相模嶺」が具体的にどの山々を指すのかは不明ですが、『萬葉集地名歌総覧』(樋口和也 近代文芸社 1996)は、「大山」と考えるべきだとしています。

相模嶺の小峰(をみね)見かくし忘れ来る
妹が名呼びて吾(あ)をねし泣くな
(万葉集巻十四 3362 よみひとしらず)

【意味】
相模嶺が小さな頂を隠してしまうように山のかなたに忘れてくる妻の名を呼んで、私を泣かせるな。

『万葉東歌の世界』
「相模祢(さがむね)」
『万葉東歌の世界』長谷章久 講談社 1977
911.12/307(21572409)より

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