4年に一度開催される15人制ラグビーの世界王者決定戦、ラグビーワールドカップ2019TMが、9月20日(金)の開幕戦を皮切りに日本各地で開催されています。開催都市は、日本全国12都市、そして準決勝・決勝戦は、神奈川県横浜市の横浜国際総合競技場で行われます。今回、決勝戦が行われる横浜は、日本のラグビー発祥の地でもあります。9月5日(木)には、横浜中華街にある山下町公園に記念碑が建立されました。1866年に設立された横浜フットボールクラブは、アジア最古のラグビークラブとして、2015年8月にイギリスのRFU世界ラグビー博物館が認定したということです。今回は明治から続く横浜とラグビーの関係がわかる資料をご紹介します。ラグビーワールドカップ2019TM観戦の前に横浜とラグビーの歴史をひもといてみるのはいかがでしょうか。
図書のとびら
『幕末明治の横浜 西洋文化事始め』
斎藤多喜夫著 明石書店 2017 請求記号:K26.1/189 貸出不可(60704913)かながわ資料室公開
横浜の開港、居留地開設によりさまざまな西洋文化が日本に伝えられました。本書は食生活や医療、服飾、娯楽、スポーツ、英語学習まで、横浜の地を経由して伝わった文化を多岐にわたって取り上げ、丁寧に論じています。 下関戦争後、横浜に駐留が許可された英仏軍隊は、訓練とともにさまざまなスポーツを行いました。その中でフットボールの始まりについて触れ、横浜にアジア最初と言われるフットボールクラブが実際に結成されたのかどうか、この時のフットボールが現在のラグビーとサッカー、どちらに近いものなのかを当時の新聞資料を基に考察し、明らかにしています。
『居留外国人による横浜スポーツ草創史』
山本邦夫・棚田真輔 著 道和書院 1977 請求記号:K78.1/40a 貸出不可(60694205)かながわ資料室書庫
本書では、西洋のスポーツが横浜外国人居留地から伝わったことで設置された施設や、各種スポーツクラブ別の創設と活動がまとめられています。横浜フットボール・クラブについても設立の経緯、クリケットや野球などのクラブと統合してYC&ACになってからの慶應義塾チームとの試合は全結果が詳細に記録されている貴重な資料となっています。
『日本ラグビー史』
日本ラグビーフットボール協会 編日本ラグビーフットボール協会 1964 請求記号:783.4/3(11799582)県立書庫
昭和39年、日本ラグビーフットボール協会創立35周年を記念して日本のラグビーの歴史をまとめたものです。明治の創始から、慶應・早稲田などの各大学チーム・実業団チームについてや、戦後はワールドカップ参加前の海外遠征試合までが記録されています。横浜フットボールクラブが対戦した慶應チームにラグビーを指導した日本ラグビーの創始者、E.B.クラークと、ともに指導を行った田中銀之助の生い立ちや彼らの功績について、当時の写真とともに紹介しています。
『ラグビー神奈川』No.50 2019 SPRING
[神奈川県ラグビーフットボール協会]広報委員会 編 神奈川県ラグビーフットボール協会 2019.5 請求記号:K78/260/50a 貸出不可(60788080 )かながわ資料室公開
1976年より発行されている神奈川県ラグビーフットボール協会の広報誌です。当館ではその一部を神奈川資料として保存しています。特集記事や活動報告のほか、ラグビーにまつわる話題がトピックスとして連載されています。 今年の9月5日、横浜の山下町公園に、ラグビー発祥の地として建立された記念碑の除幕式が行われました。本号のトピックス「ラグビー歴史散歩」では、記念碑建立協議会事務局長の長井勉氏が、「2019年ラグビーワールドカップTM、横浜開催は運命づけられていた 記念碑建立のもう一つの理由」と題し、E.B.クラークと田中銀之助の出会いについて寄稿しています。二人が通っていた山手のビクトリアパブリックスクール開校のいきさつや、クラークの求めに応じて田中が指導の助けに駆け付けたエピソードなど、興味深い内容となっています。
雑誌のとびら
「ラグビーワールドカップの意義とラグビーの魅力」 横尾健一郎
『社会教育』 日本青年館 第877号 2019年7月号 p12~19 請求記号:Z379/11
公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会の横尾健一郎氏による記事です。3部構成で、「1.2019年、ラグビーワールドカップが日本にやってくる」の章は、(1)誘致まで、(2)ラグビーとワールドカップの歴史、(3)ワールドカップの収入構造と経済界の期待、(4)開催地とキャンプ地が織り成すストーリー、「2.ラグビーの楽しい観戦方法」の章は、(1)スタジアムのどこで観るか、(2)ルールがわからない、(3)今次大会の見どころは何か、3.最後にレガシーを築くための地域との連携の章となっています。
新聞のとびら
『国内「発祥」の地 W杯決勝舞台に 歴史に光 記念碑建設』
日本経済新聞 夕刊 2019/8/20 p11
「9月20日に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)で決勝の舞台となるのが横浜市だ。幕末の開港以降、さまざまな西洋文化が伝わりラグビーも例外でなかった。英国の駐留軍人らがこの地に「アジア最古」とされるクラブチームを設立したのは1866年。発祥の歴史を示す記念碑が近く、かつて居留地の一角だった同市の中華街に完成する。身体を組んで押し合う白人の男たち、その様子を和服やちょんまげ姿の人々が興味深そうに見つめる―。(後略)」
『ラグビー発祥の地』記念碑 決勝の舞台・横浜 中華街一角 に完成
東京新聞 朝刊 2019/9/6 p22
「幕末に英国人によるアジア初のクラブチームが設立された「ラグビー発祥の地」を示す記念碑が、横浜中華街の一角に完成し、五日に除幕式が開かれた。横浜市はアジア初開催となる二十日開幕のラグビーワールドカップ(W杯)で、決勝戦など七試合の舞台となる。記念碑設置に関わったラグビー関係者は「試合とあわせて記念碑もぜひみにきてほしい」と期待している。(後略)」
視聴覚資料のとびら
『めざせ花園 高校ラグビー80年の軌跡』
全国高等学校ラグビーフットボール大会実行委員会 2002 (79分) 請求記号:VT12/メサセ (41134974)音楽・映像コーナー 書庫
高校ラグビーの聖地、花園ラグビー場は大阪府東大阪市にあります。全国高等学校ラグビーフットボール大会は、毎年12月末から翌1月の始めにかけて花園ラグビー場で開催されます。通称「花園」。このビデオは「花園」をめざす高校ラグビーの80年の歴史を刻んでいます。 「第1部 歴史編 楕円のボールを追いつづけて」、「第2部 心に残る名勝負編 ノーサイドの笛が鳴るまで」の2部構成です。
インターネットのとびら
"日本ラグビーデジタルミュージアム"
https://www.jissen.ac.jp/library/info_collection/book_collection/
いつでもどこでもインターネットで無料で見ることができる日本ラグビーフットボール協会のウェブサイトです。その中で、「日本ラグビーフットボール史」、「ラグビーワールドカップ史」などが見られます。また、「年表一覧から観戦記・写真・新聞記事・詳細」へのリンク、「キャッププレーヤー検索から出場試合データ」へのリンクがはられています。
ファンゾーン in 神奈川・横浜~「一生に一度」を体験しに行こう~(横浜ラグビー情報)
https://www.k-kb.or.jp/kinmeru/
みなとみらい臨港パークで9月20日(金曜日)から11月2日(土曜日)までの土日に行われる無料のイベントスペースです。9月20日(金曜日)と11月1日(金曜日)も開催。大型スクリーンでのパブリックビューイングが行われ、 気軽に飲食しながら、みんなで試合が楽しめるほか、ラグビーの体験などさまざまなプログラムを楽しむことができます。グルメケータリングでは、神奈川・横浜を代表するお店の料理や、出場国の料理も味わえます。
神奈川県ラグビーフットボール協会
http://www.rugby-kanagawa.jp/
神奈川県ラグビーフットボール協会のホームページです。協会の概要、試合スケジュールのほか、神奈川県ラグビースクール選抜公式ブログ、神奈川PRINCESS、神奈川県ミニラグビーファイナルカップ公式ブログなどを見ることができます。