公開

「3.11」と呼ばれる東日本大震災から8年が経過しました。この間、北海道から九州まで大きな災害が頻発し、神奈川でも大地震が起こる確率が高まっていると言われています。そのような状況のもと、全国最大規模の災害救助訓練施設が2018年11月に県消防学校(厚木市)に完成しました。地震による家屋倒壊、土砂災害による埋没、豪雨による浸水などさまざまな自然災害現場を再現でき、災害対応の技術を高めることができます。
今回は、災害と災害時に活躍が期待される災害ボランティアに関する資料を紹介します。

図書のとびら

紹介資料表紙 『防災・減災・復旧・復興 Q&A -大災害被災者支援の経験から』
近畿災害対策まちづくり支援機構 編 東方出版 2018 請求記号:369.3/608 (23038243) 県立公開

東日本大震災、熊本地震などの大災害の救援・復興にあたってきた研究者と専門実務家(弁護士、建築士、技術士...など)が、研究と実践経験に基づいて執筆しています。たとえば、ブロック塀の安全対策、地盤の液状化現象など116項目のQ&A集です。「近畿災害対策まちづくり支援機構」の前身である「阪神・淡路まちづくり支援機構」は阪神・淡路大震災の発生から1年半後に設立された日本で初めての専門家団体による横断的なNPOです。

紹介資料表紙 『地域防災とライフライン防護』
木下誠也 著 コロナ社 2018 請求記号:369.3/607 (23027014) 県立公開

本書は、地域の防災とライフラインに焦点を当てて防災対策を論じています。第1部では過去の大災害を学び、地震・津波・気象・火山などの災害情報に関する知識を得るとともに、災害に対する国土の脆弱性や都市防災の問題を論じています。第2部では、震災時のライフラインの被災状況などを報告したうえで、道路・鉄道・港湾・空港・下水道・水道・電力・石油・ガスそして情報通信について、整備の現状や防災に関する課題を解説しています。

紹介資料表紙 『防災の社会学 防災コミュニティの社会設計に向けて 』
吉原直樹 編 東信堂 2012 請求記号:369.3/502 /1A (22635585) 県立公開

東北大学の「シリーズ・防災を考える」の1冊です。本書は、社会学の視角から防災を「まちづくり」と捉え、行政によるタテのリスク管理を、地域市民によるヨコのリスク管理と組み合わせ、どうセーフティネットを構築していくか、防災にかかわる諸主体やセクターの現状から解明しています。内容は、『防災の思想』(似田貝香門著)、 『災害ボランティアと支えあいのしくみづくり』(西山志保著)など、14人が執筆しています。

紹介資料表紙 『災害ボランティア 新しい社会へのグループ・ダイナミックス』
渥美公秀 著 弘文堂 2014 請求記号:369.3/555 (22724090) 県立公開

本書は、7つの章で構成されています。第1章では、東日本大震災に際し、災害ボランティアや災害NPOがどのように活動を展開するか綴っています。第2章では、災害ボランティアについて研究していく際の理論的な枠組みを紹介しています。第3章では、阪神・淡路大震災以来の災害ボランティアの動向について、現代社会の動静を踏まえて記述しています。第4章から第6章は、災害救援、復興支援、地域防災といった場面を対象に、災害ボランティアをめぐる話題を考察しています。こうした議論を踏まえて第7章では、災害ボランティアが拓く新しい社会について構想し、そこへといたる道筋を提示しています。

雑誌のとびら

紹介資料表紙 災害ボランティアやるなら死守すべき 鬼十則 ~熱意がかえって迷惑に!?(中西 庸 )
『サンデー毎日』 毎日新聞出版 2016年5月8-15日 GW合併号 第95巻第20号通巻5338号 p209 請求記号:Z051/111

ボランティア活動などを支援する全国社会福祉協議会では、「被災地の人々や他のボランティアの負担や迷惑にならないよう、一人ひとりが自分の行動と安全に責任を持つ必要がある」とし、10の注意事項をあげています。たとえば、1本人の自発的な意思と責任で参加すること、2事前に自分で現地の情報を収集すること。家族の理解を得ること。現地の災害ボランティアセンター(VC)に参加方法や注意点を確認すること、3現地での安全や健康は自分で管理することなど。

新聞のとびら

「平成最悪の水害 列島に深い傷痕 西日本豪雨1カ月」
日本経済新聞 2018年8月7日 p26~27

「平成最悪の水害をもたらした西日本豪雨は6日で1カ月が過ぎた。広島、岡山、愛媛各県を中心に犠牲者は15府県で225人に上り、負傷者は26都道府県で407人に達した。7月6日以降、延べ約1万3千人の緊急消防援助隊が投入され、懸命の救出活動が続けられているが、岡山、広島、愛媛で計10人が行方不明のままだ。(中略) ボランティア 延べ14万人 家屋で泥の書き出し作業など、多くのボランティアによる支援が続いている。(後略)」

「避難所運営 女性の視点で 朗読劇の台本に」(志村彰太)
東京新聞 2018年6月1日 p22

「男女共同参画をテーマに啓発活動をしているNPO法人「かながわ女性会議」(藤沢市)は、災害時の避難所運営や防災対策の課題を女性の視点で朗読劇にし、台本を冊子にした「女性と防災」を発行した。多くの人に演じてもらうことで、避難所で起こりがちな問題などを広く知ってもらうのが狙い。(後略)」
(『女性と防災』 かながわ女性会議 請求記号:K36/1242 かながわ資料室公開 常置)

インターネットのとびら

いわて震災津波アーカイブ 希望
http://iwate-archive.pref.iwate.jp/
岩手県が、東日本大震災津波からの復旧・復興の状況を後世に残すとともに、今後の防災活動の参考のために作成しました。6つのテーマ「そなえ」「結いの力」「支援から絆へ」「配慮が必要な人へ」「前例なき対応」「ふるさといわて三陸」に分け、伝えたい経験や教訓を掲載しています。岩手日報社制作の 「犠牲者の行動記録」を掲載し、災害時の避難行動をデジタルの地図上で再現しています。

神奈川県ホームページ 防災情報-神奈川県防災・災害情報
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/m2g/cnt/f417344/p904912.html#Link_5
神奈川県が作成する、防災・災害情報のホームページ。「神奈川県災害・情報ポータル」「地震・津波について」「風水害について」「河川関連」などで構成されています。

かながわ減災プロジェクト
http://weathernews.jp/gensai_kanagawa/
神奈川県と(株)ウェザーニューズは、自由参加型の減災情報共有ウェブサイト「かながわ減災プロジェクト」を共同で開設しました。神奈川県民、県職員、ウェザーニュースの利用者によって、県内で観測された情報や気象・災害時の被害情報などを共有し、災害被害の軽減に役立てることを目的としています。

防災情報提供センター
http://www.mlit.go.jp/saigai/bosaijoho/
国土交通省の防災情報提供センターが作成するホームページ。リアルタイム雨量、河川情報、地震・津波・地殻変動・火山情報など多様な情報を得ることができます。

内閣府防災情報のページ みんなで減災
http://www.bousai.go.jp/index.html
内閣府が作成する防災情報のページ。災害状況、被害状況の公表のほか防災対策情報や内閣府の防災に関する政策などを公開しています。一般向けのお役立ち情報のページでは、被災者支援に関する各種制度、みんなでつくる地区防災計画などの情報が掲載されています。