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2021年2月28日、県立図書館では少し早めのひな祭りイベント、第2回ひなまつり Wikipedia 女性×かながわ「WikiGap in Kanagawa」を開催しました。

当館では、特色あるコレクション「女性関連資料」を活かして、神奈川にゆかりのある女性のWikipedia記事を編集するイベントを2019年のひな祭りから開催しています。
2020年3月は、ウィキペディアの女性人物記事を充実させ、インターネット上のジェンダーギャップを埋めていこうとするスウェーデン発のイベント「WikiGap」とコラボし、スウェーデン大使館の後援で「WikiGap in Kanagawa」を企画しました。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、イベントは中止となりました。改めて企画した今年度も、感染症対策のために記事編集なしのオンラインイベントとして開催しました。

講師はウィキペディアを編集する「ウィキペディアン」として活躍中のお二人。日本語版元管理者の海獺(らっこ)さんと、武蔵大学准教授の北村紗衣さんです。まずは海獺さんからウィキペディアの概要、編集の方針等についてお話しいただきました。編集の三大方針は、「中立的な観点で記述すること」「まだ発表していないような独自研究は載せないこと」「後から出典等を確認できる検証可能な記事にすること」の3つ。誰でも編集できる百科事典をより信頼できるものにするためのウィキペディアンの努力と理念がお話の随所に感じられました。

北村紗衣さんからは「ウィキペディアとジェンダーギャップ」について解説いただきました。歴史上の出来事からネットスラングまで、なんでも載っているように感じるウィキペディアですが、実は化粧品やアパレルのような分野が手薄であり、特筆性のない記事として削除もされやすいとのこと。女性に関する記事も女性の執筆者も少ない。分野の偏りは、執筆者の性別や国籍などの構成比の偏りを反映しているようです。多様なバックグラウンド、多様な関心がある人々が編集することが、ウィキペディアの質の向上につながる。WikiGapを含む、世界に広まったさまざまな執筆イベントのねらいが語られました。

講義後、記事編集ができない代わりに当館の資料をご紹介しました。講師のお二人からは、良いウィキペディアンを心掛けるために必要なこととして「出典がないことを発信しない」という原則を重ねて呼びかけていただきましたが、図書館は出典となり得る資料の宝庫です。お調べ物の際はぜひ当館資料をご活用ください。

「WikiGap in Kanagawa 関連資料リスト」(PDF:173KB)
ひなまつり Wikipedia 女性×かながわ「WikiGap in Kanagawa」開催概要
WIKIGAP JAPAN
◯後援:スウェーデン大使館(@EmbSweTokyo)