『わかったさんのクッキー』寺村輝夫作, 永井郁子絵 あかね書房 1987年
資料番号:22828032 請求記号:913/テ OPAC検索
クリーニング屋の娘のわかったさんは、日常の中で不意にファンタジーの世界に入り込み、そこでお菓子を作ります。 この『わかったさんのおかしシリーズ』の作者は『ぼくは王さま』の王さまシリーズで有名な寺村輝夫、絵は永井郁子によるものです。
シリーズ第1作目は、『わかったさんのクッキー』(1987年)。わかったさんはクリーニングを依頼された衣類の中にお客さんのかぎが紛れていたことに気付き、届けに戻ったところで不思議な現象に巻き込まれてしまいます。そして、導かれるままエプロン姿のかぎのキャラクターからクッキー作りの手ほどきを受けます。
第1作目ということで、現実とファンタジーの切り替えやお菓子作りの工程もとても丁寧に描かれています。 かぎのマークが付与されたセリフはお菓子作りのポイントとなる部分です。巻末には物語の中で作ったお菓子の詳細なレシピが紹介されており、これを見た子どもたちがお菓子を真似して作れるよう工夫されています。
当時小学生だった私がこのシリーズで最初に手に取ったのは、『わかったさんのドーナツ』(1988年) OPAC検索でした。カラフルでかわいらしい絵柄と、リズミカルなストーリー展開にワクワクしながら読んだことが思い出されます。続けて読んだ『わかったさんのホットケーキ』(1989年) OPAC検索はレシピも簡単なものであり、実際に真似して作るなど、お菓子好きとなったきっかけの大変思い出深い作品です。
ほかにも、『わかったさんのクレープ』(1991年) OPAC検索は童話の世界をアレンジしたお話となっているなど、親しみやすいテーマを扱った作品もあります。
当館にはここで取り上げた4作品以外にも『わかったさんのおかしシリーズ』を所蔵しています。わかったさんと一緒にお菓子作りレッスンを受けて、家族やお友達と楽しいひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。
(県立図書館:ドーナツも作りたい)