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会場の様子 11月24日(日曜日)、レコード鑑賞会「宮澤賢治と音楽―賢治のレコードコンサートより―」を開催しました。今年度のレコード鑑賞会は、2度目になります。前回、前々回開催のレコード鑑賞会では、オーディオ機器について講師の先生に詳しい解説をしていただきながらレコードを鑑賞しましたが、今回は趣向を変え、レコードコレクターでもあった宮澤賢治が、当時いったいどんな音楽を聴いていたのかをテーマとして、実際にレコードで聴いてみようという試みです。

宮澤賢治の生家には高価な蓄音機があり、幼い頃からレコードを耳にしていましたが、当時のレコードは長唄や義太夫といった芸能が中心でした。22歳の頃、初めてレコードでクラシック音楽を聴いた賢治は、その音に魅了され、レコード収集にのめり込んでいきます。
鑑賞会では、賢治が従弟の家で初めて聴いたというヴェルディの「アイーダ」や、遺品のレコードコレクションの中からベートーヴェン「交響曲第6番」、また作品中に登場するドヴォルザークの「交響曲第9番 新世界より」など、全6曲を、解説を交えて聴いていただきました。
当時のレコードは現在主流のLPレコードではなく、素材も回転数も違うSPレコードであったことから、当館の所蔵するSPレコードを実際に数点展示し、関連資料とともに実際に手に取って見ていただきました。

参加された皆さまからは、「宮澤賢治がレコードを集めていたことを知らなかった」、「知識が深まった」、「他の文学者たちの聴いていたレコードも聴いてみたい」といったお声をいただきました。図書館の持つ資料を複合的に紹介することで、関連書籍を読んだり、音楽を聴いたりといった、新たな側面から知識を深めるきっかけとなれば幸いです。
また、旧寺垣研究所サポートメンバーの宇根内司氏がご厚意で参加してくださり、スピーカーなどの機器に関する質問に回答していただきました。オーディオ機器に興味のある方も非常に多くいらっしゃいますので、スピーカーの聴き比べ講座も引き続き企画していきたいと考えています。

(情報整備課:講座担当)