当館で開催している人気シリーズ「大人の自由研究応援講座」の第2回目です。6月にあった第1回目に引き続き、7月27日と8月3日は2回連続講座として「学術的なレポート・論文の書き方講座」を開催しました。講師は前年度にも同じテーマを受け持っていただき、普段は大学でレポートや論文の書き方に関する講義を担当されている上岡真紀子先生です。
「レポートや論文の書き方を学ぶということの意義は、グローバルなレベルでの学術的なコミュニケーションを学ぶことに他なりません」という先生の言葉に、これからレポート・論文を書こうと考える受講生の皆さんの表情がますます真剣なものになりました。
7月27日の回では、レポートの種類について、「報告型レポート」と「論証型レポート」の違いや、「論証型レポート」の基本構成について説明がありました。また、レポートを書く際のプロセスや、序論を書く際の目標規定文(問い)の役割、問いのサイズの調整方法等について、文例を基にしたワークも交えながら解説がありました。
8月3日の回では、学術的なレポートの本論を展開していく上で必要となる「論証」について、その意味や執筆の際に必要な情報の説明がありました。また、効果的に論証していくために作成するアウトラインや本論を構成するパラグラフの内容、根拠データを明示する際の引用方法等についても解説がありました。この日は前後左右の席の方とワークの答え合わせをする機会もあり、受講生の皆様は、これまでに学んだ知識を活用して熱心にやり取りをされていました。
今回の講座は「大学の講義の縮小版」ということで、大学生が15回にわたって順に学ぶ内容のエッセンスを取り出して、ぐっと凝縮したものです。時に身振り手振りを交え、立ち上がって講義をされる先生の講座は、開催後のアンケートでも「大学授業のライブ感」と好評でした。解説にあわせて配布資料にペンを走らせる姿がたくさん見られ、多くの方が具体的な目的を持ってこの講座に臨んでいることがよく分かりました。アンケートでも、今後の論文執筆への意欲や新たな講座受講への希望を伺うことができる内容が多く、テーマへの需要の高さを感じました。
(県立図書館 企画協力課:講座担当)
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