川崎図書館では、7月24日(水曜日)に講演会「車いすラグビーを支える技術」を開催しました。講師は、車いすラグビー日本代表チームのメカニック・三山慧(みやま けい)さんです。日本チームは、2016年リオパラリンピックで銅メダルを獲得し、2018IWRF(International Wheelchair Rugby Federation)ウィルチェアーラグビー世界選手権では優勝を果たしています。
講演会では、車いすラグビーについて(バスケットボールと同じ広さのコート、バレーボールを基にした専用球、チーム編成は4名ずつ、障がいの程度によって設定されているポイント制度など)や競技用車いすの構造、メカニックの具体的な仕事内容についてなどを、車いすラグビーの知識がない人にも分かりやすくお話していただきました。また、競技用車いす2台(ディフェンス用・オフェンス用)と専用のボールに触れ、実際に乗ってみるという貴重な体験もできました。
ラグビー用の車いすはすべて海外製で、三山さんは半年間ニュージ―ランドで学び、日本代表チームのメカニックになりました。教科書もなにもない状態からメカニックへの道を切り拓き、今後は自分が得たものを多くの人に伝えていきたいという三山さん。その熱意が伝わってきて、実際の試合を見てみたいという参加者からの声も多く、車いすラグビーへの興味が深まる講演会でした。
ということで、先日横浜で行われた「車いすラグビー日本選手権大会予選リーグC」を観戦しに行ってまいりました。参加チームは、沖縄・埼玉・福岡の3チーム。各チームが2回ずつ対戦する総当たり戦でした。
観戦に際しては、講演会で配布されたガイドブックや、当日会場でもらった審判のジェスチャー一覧を見ましたが、それだけではルールがよく分からず、実際に試合を見るうちにだんだん学習していきました。また、途中で2階に移動をしたところ、全体の動きが把握しやすくなりました。観戦は上からがおススメです。
車いすラグビーの主なルールは、オフェンス側はボールを持ってから12秒以内にセンターラインを超え、また、40秒以内にゴールをすること。他にも、ボールを持っている選手は10秒以内に1回ドリブルをするか、味方にパスをしなければならないというのもあります。それらの制限時間を超えた場合は、ボールの所有権が相手チームに移ります。そのため、パスを通さないようにするディフェンスと、そのディフェンスをブロックする選手との車いす同士がぶつかる音が会場に響き渡っていました。
そう、車いすでのタックルは、想像以上に激しいものでした。転倒した車いすをスタッフが二人がかりで起こすシーンも。タイヤのパンクした音が「シューッ」と聞こえてくる臨場感を味わえるのは、会場ならではでしょう。ゴールを目指す選手と、それをアシストする選手たちのチームワークが得点へとつながっていく様子は見ていて熱くなり、会場から自然と拍手が沸き起こっていました。
今年の10月には「車いすラグビーワールドチャレンジ2019」、来年は「東京2020パラリンピック競技大会」があります。ぜひ、生の試合の迫力を体感してみてはいかがでしょうか。
(県立川崎図書館 資料整備課:60周年記念連続講演会その4担当)
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