令和が始まって早1ヶ月。さわやかだった春の風は、梅雨の訪れとともに夏らしいじめじめとした湿気に変わってしまいました。 連日テレビが流していた即位の儀式も終わり、もう改元ムードもおさまる頃かと思っている方も多いかもしれませんが、儀式はまだまだ続きます。いえ、むしろ秋に行われる即位礼と大嘗祭の方が本番なのです。これからの儀式を楽しむためにも、企画展示で予習して秋に臨みましょう!
さて、企画展示「時代をつなぐ 改元と儀式」では、新しい時代・令和を記念し、大礼(大典)と呼ばれる一連の即位儀式の記録や図画、元号の由来などをご紹介しています。 ここでは展示資料の一部と、見どころを解説いたします。
今回の展示は各展示ケース、パネルごとにタイトルが分かれており、「改元今昔」、「大礼とは」、「昭和大礼」、「平成大礼、そして...」、「改元と報道 時代を伝える」の5つのコーナーがあります。 今回ご紹介する資料は、そのうち「昭和大礼」に展示されている絵葉書です。
当館が所蔵しているこちらの絵葉書には、昭和3年の横浜市の風景が写っています。 1枚目(右)の写真には「(御大典記念)横浜桜木町駅前奉祝塔」。2枚目(左)の写真には、「御大礼奉祝 横浜市電の花電車 昭和三年十一月」と記載があります。花電車とは、祝賀などのために装飾を施して運行する路面電車のことで、こちらは昭和3年11月10日、昭和天皇の即位礼当日紫宸殿の儀が行われた日の写真と思われます。 即位関連儀式が東京で行われるようになったのは平成の即位の礼からなので、この時儀式が行われていたのは京都御所なのですが、遠く離れた神奈川県でも奉祝行事が盛大に行われていたことがこれらの写真から分かります。
「昭和大礼」の展示ケースには他にも当時の神奈川県を写した絵葉書を展示しています。昭和3年12月4日に横浜沖で行われた御大礼特別観艦式の絵葉書もありますので、ぜひ見に来てください。
また、大きな見どころとして、株式会社ジャパンタイムズ様よりご提供いただいた、大正、昭和、平成それぞれの即位の儀式を報じる紙面があります。英字新聞上で、時代の節目はどう報じられたのかを参照できる貴重な資料です。お見逃しなく!
そして担当のイチオシが、展示コーナー入口にあります写真撮影スポットです。
県立図書館職員直筆の「令和」の書(実物そっくり!)を設置しておりますので、県立図書館を訪れた記念に一枚、記念撮影はいかがでしょうか。(写真はご自身のカメラで撮影をお願いします)
当展示は令和元年8月7日(水曜日)まで本館1階展示コーナーで開催中です。 今回ご紹介した資料はごくごく一部です。ぜひ企画展示を訪れて、時代の節目を振り返りながら、令和のはじまりを感じてみませんか。
(県立図書館:展示担当)
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