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講義の様子 当館で開催している「大人の自由研究応援講座」シリーズも、今年度のラインナップは残りわずかになりました。11月10日(土曜日)には「集めた資料から文章を書く~レポート・論文の書き方入門」を開催し、普段は大学でレポートや論文の書き方に関する講義を担当されている上岡真紀子先生をお招きして、信頼されるレポート・論文を書くための基本的なプロセスを教えていただきました。

はじめに「レポートとは何か」というお話があり、「今回学ぶレポートや論文は、読者と学術的なコミュニケーションを取ることを目指します」という先生の言葉に、会場内の空気がキリリと引き締まりました。「レポートや論文の書き方を学ぶということの意義は、グローバルなレベルでの学術的なコミュニケーションを学ぶことに他なりません」という力強い言葉が、とても印象的でした。

続いて「報告型レポート」「論証型レポート」といったレポートの種類に関する説明や、レポートを仕上げるまでのプロセスの紹介がありました。また、レポートの序論に書かれる「目標規定文」について説明があり、レポートや論文の実例の中から「目標規定文」を探してみようといったワークも行われました。

休憩を挟んで後半は、レポートの本論部分が取り上げられ、「アウトライン」を練ることの重要性や、論点のかたまりである「パラグラフ」の構造などについて学びました。また、「論証」するために必要な「引用」についても、「直接引用」と「間接引用」の違いなどを分かりやすく教えていただきました。

今回の講座は「大学の講義の縮小版」ということで、大学生が15回にわたって順に学ぶ内容が、ギュギュッと凝縮されたものでした。テンポ良く進む先生のお話に加えて、理解を確かにするためのワークも盛り込まれ、あっという間の2時間でした。参加された方の中には、通信制の大学で学ばれていて、レポートや論文を書く機会があるという方も何人かいらっしゃったようです。講座終了後も、先生に質問をするために残られた方が多く、会場では終始、「良いレポートの書き方を知りたい!」という熱気が感じられました。

(県立図書館:講座担当)