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公演中の会場の様子 9月7日(金曜日)、県立図書館にて、所蔵資料鑑賞会(ビデオ上映)を行いました。今回は、当館が所蔵するビデオ『学問と情熱』シリーズ30巻の中から「南方熊楠」(OPAC検索)、「柳田國男」(OPAC検索)の2本を上映しました。

今年は明治150年にあたり、当館では関連した展示や講座を開催しています。この鑑賞会もその一環として、明治時代に活躍し、ともに民俗学の発展に貢献した2人を取り上げました。
柳田國男は日本の民俗学を創始した人物として知られていますが、その陰には、破天荒な奇才、南方熊楠との出会いがありました。南方熊楠は、民俗学者だけではなく、博物学者、生物学者など複数の顔を持ち、さまざまな学問を追究しました。
2人の交流は、柳田が南方の論文に注目し、書簡を送ったことに始まります。その後、彼らは書簡のやり取りの中で論を交わし、それぞれ民俗学を突き進めていきます。その結果、柳田は日本固有の民俗学を目指し、南方は海外の人類学をふまえた民俗学を打ち出しました。
上映したビデオの中では、この2人の関係に触れている部分はごく一部ですが、それぞれの生い立ちや学問に至るまでの経緯、業績が紹介されています。

今回上映した『学問と情熱』シリーズは、他にも新渡戸稲造、福沢諭吉など、優れた業績を残した日本人の映像列伝です。ビデオシリーズ1~30巻は、貸出が可能な資料です。また、その続きの31~36巻は、DVDとして所蔵しています。DVDは館外へ貸出ができませんが、どちらも音楽・映像コーナーで視聴することができます。ぜひご利用ください。

上映後、皆さまにご協力いただいたアンケートによると、今回のテーマに興味を持ってご来場いただいた方が多く、熱心に鑑賞されていたのが印象的でした。また、鑑賞会当日は、『柳田国男南方熊楠往復書簡集』(平凡社 1976)(OPAC検索)やそれぞれの伝記、著作物などの関連資料を展示しました。
ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。

(県立図書館:講座担当者)