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表紙の画像『おかしな建築の歴史』 五十嵐太郎著 エクスナレッジ 2013 資料番号:81645780 請求記号:520.2/21 OPAC

小学生の頃からテレビ番組「渡辺篤史の建もの探訪」が好きで、一人でよく住宅展示場に遊びに行っていました。きっかけは単に、現実の我が家よりも何倍も洗練されたよその住宅に興味があっただけなのでしょうが、そのまま突っ走り、毎月おこづかいで建築雑誌を購入、小学校の卒業アルバムに、一級建築士になりたいとまで書いたのに、なぜか今はこうして図書館で働いています。館内で所蔵する建築雑誌を目にすると、当時の熱意をどこか苦々しく思い出してしまいます...


(前書きが長くなりましたが)そんな私が久々に手に取った建築関連の本が『おかしな建築の歴史』です。本書冒頭に書かれているとおり、ピラミッドから現代まで "およそ4500年にわたる人類の歴史を、125のキーワードという切り口から眺めるもの"という内容です。難しさは全くなく、カラー写真も満載、どのページからも読み始めることができます。私が今さらながら驚いたのは、著者によるユニークなネーミングや建築概念です。たとえば、「ヤンキー建築」と聞いてどのような建物を思い浮かべるでしょうか。本書では「ヤンキー建築とは、インテリアデザイナーの森田恭通の作品に代表される過剰な装飾をもつ豪華で派手なものを指す」とされています。そのうちのひとつが、東京都中央区の歌舞伎座であるというのが面白いです。ほかにどのような建物がヤンキー建築に当てはまるのでしょうか...ぜひ本書を手に取ってご覧ください。 この他にも、アニメやゲーム等の用語からきている「セカイ系建築」、「ウルトラマン建築」、「ショートケーキ住宅」なるものもあり、難しい響きの建築史も、本書では面白く親しみやすいものとして扱われています。この一冊で過去から未来、国内から世界まで縦横無尽に建物探訪をしてみてはいかがでしょうか。

( 県立川崎図書館:チョコミントアイスが食べたい)