公開

表紙の画像『みだれ髪 チョコレート語訳』 俵万智著 河出書房新社 1998年 資料番号:110873916 請求記号:R13.1タワ OPAC

俵万智さんといえば、誰の心にも届くわかりやすい表現で若い女性の生活や心を歌った『サラダ記念日』(1987)が有名ですが、今回は『みだれ髪 チョコレート語訳』をご紹介したいと思います。 『みだれ髪 チョコレート語訳』の原書は、与謝野晶子の歌集『チョコレート革命』(1997)にちなんでいます。本書は見開きに3首ずつあり、チョコレート語訳した歌の横に晶子の歌が載せてあります。歌の解説や現代語訳はありません。俵さんのチョコレート語訳は、100年以上も前の明治の女性である晶子の恋愛を、現代人が実感できる歌にして瑞々しく甦らせてくれます。近代短歌と現代短歌のそれぞれの時代において、革新をもたらしてくれたふたりの共演が楽しめます。 この翻訳方法は、俵さんが高校の国語教師として古典の授業で短歌を教えていた時に、短歌の現代語訳文は言い回しが不自然で長く、短歌を味わうことができないと感じて三十一文字の現代語訳にすることを思いついたそうです。 短歌について知りたくなった方には、俵万智さん著作の『文芸春秋』1998年9月特別号(第76巻第9号),p222-228

(県立図書館:甘くほろ苦いチョコレート)