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へいわってどんなこと?.jpg完全に中止するのではなく、楽しみにされていたみなさまに、何かお届けできる方法を考えよう――――新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、フォーラムの現地開催中止を検討せざるを得なくなったときの館長の言葉です。
その言葉に対して「動画を配信します!」と言った担当は内心、冷や汗をかいていました。お届けしたい気持ちはありましたが、実は動画を撮影するどころか、今までの人生の中でビデオカメラを構えたこともなかったからです。今回の「司書の出番」では、初めての動画撮影に挑戦した、本フォーラムの舞台裏について、少々お話したいと思います。

このフォーラムは、読書の大切さについて理解を深め、県内の優れた読書推進の取り組みをみなさんに知っていただくことを目的に、毎年開催しています。
本年度は、現地開催中止にあたって、現地でご覧いただくからこそ意味があるボランティア団体のみなさんの事例発表は断念せざるを得ませんでしたが、講師の浜田桂子さんのお話だけでもぜひみなさまにお届けしたいと思いました。とはいえ、撮影や編集について学んでいる時間的な余裕はなく、撮影当日やその後の編集作業を想像し、本番に向けて準備を進めました。

[写真]撮影の様子.jpg撮影当日、会場にいらした浜田さんは手作り感たっぷりの舞台セットをご覧になって、「わぁ、面白いですね!」と温かくほほ笑んでくださいました。お借りした素敵なホールの一部の空間に、ビデオカメラとデジタルカメラを1台ずつ、ICレコーダーを2台配置し、職員が各機材の録音録画、撮影や録音のタイミングを合わせるタイムキーパーや合図を送るキュー出しなどを分担して撮影に臨みました。撮影中には、さまざまなことがありました。キュー出しのタイミングが合わず、「あぁっ!そうだわ・・・難しいですね!」と浜田さんが茶目っ気たっぷりに天を仰がれたり、こちら側がお話しにすっかり聞き入ってしまい、危うくキュー出しの合図を送り損ねそうになったり。




下書き本を見せてもらう職員たちの様子.jpgとてもうれしい出来事もありました。浜田さんが絵本を制作される際に必ず作っているという「赤ちゃん本」と「下書き本」を間近で見せてくださったのです。絵本には掲載されなかった(幻の?)ページなどもありました。大丈夫、職員が渾身のカメラワークで寄せ、動画に収めていますので、みなさまにもご覧いただけます。

今回の撮影では、ご出演いただきました浜田桂子さんをはじめ、ステキな会場を丸一日ご提供くださった神奈川近代文学館さんなどさまざまな方々にお力添えをいただきました。本当にありがとうございました。優しくて心があったかくなるお話を伺うことができました。多くのみなさまに届きますように。

講演の動画は、以下リンク先からご覧いただけます。(動画の公開期間:令和3年11月末日まで)
令和2年度 神奈川県 子ども読書活動推進フォーラム オンライン
「神奈川県子ども読書活動推進フォーラム」は、子どもの読書活動の普及・啓発を目的に、神奈川県立図書館および神奈川近代文学館などの主催で毎年開催されています。
本年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、予定されていた現地開催を中止し、オンラインでの動画配信による方法に変更することとなりました。動画の内容は、現地開催で予定されていました『へいわってどんなこと?』などの絵本作家 浜田桂子さんの講演内容をオンライン用に編集したものです。

講演終了後、浜田さんと職員で記念撮影.jpg


(県立図書館:「子ども読書活動推進フォーラム」担当)