令和元年12月8日(日曜日)、神奈川近代文学館で「子ども読書活動推進フォーラム」を開催しました。このフォーラムは、読書の大切さについて理解を深め、県内の優れた読書推進の取り組みをみなさんに知っていただくことを目的に、平成16年度より開催しています。
今回は、絵本作家で鳥の巣研究家でもある、鈴木まもるさんのご講演「絵本と鳥の巣の不思議-鳥の巣が教えてくれること」と、青葉おはなしフェスティバル実行委員会による活動報告と実演というプログラムでした。
第1部の鈴木まもるさんの講演では、絵本のこと、鳥の巣のことなどについてお話ししていただき、ホワイトボードに即興で絵を描いての説明や鳥の巣の実物を参加者に触ってもらうなど、参加者を巻き込んでの講演会となりました。
講演では次のようなお話をいただきました。「絵本作家は子どもたちに「いろいろな生き方がある」ということを伝える仕事で、読み手がなるべくいろいろな本を読んであげて欲しいという思いで、童話や絵本を書いている。しかし、教科書の内容で物語の一部だけが切りとられて掲載され、思いが伝わらないことがあるので、絵本は原本を見せてあげて欲しい。読み聞かせに向く絵本は、絵が大きくて笑いがあるものだが、それだけが絵本の読み方ではない。なるべく近い距離で子どもに絵本を読んであげて欲しいし、そうした読み方に向いている絵本があってもいいと思う。鳥の巣に惹かれる理由は、絵本も鳥の巣も子どもたち命を育むためのものだから。命を育てるために人も鳥も生きている。何気ないものを何だろうと思い手を動かして、何でも自由にやるのは勇気がいるが、面白い・不思議だと感じたことをぜひやって欲しい。」
第2部の事例発表・実演では、はじめに青葉おはなしフェスティバル実行委員会委員長の松下ユウ子さんから、フェスティバルについて紹介していただきました。
同実行委員会は『平成31年度子どもの読書活動優秀実践団体文部科学大臣表彰』を受賞されました。その理由として、実行委員会には必ずすべての団体が出席して決めているということ、毎年1000人以上のお客さんに来ていただけるということ、演者も楽しくにこやかに元気でやっていることだと松下さんは考えているそうです。
紹介の後、フェスティバル当日に行われた実演の一部を披露していただきました。マスコットキャラクター「あおばっくん」の紹介、パネルジャムくんによるパネルシアターの実演、秋田弁による「ツルとカメ」の語り等、会場を巻き込んで、とても明るい雰囲気でした。
今年のフォーラムも多くの方にご参加いただき、盛況のうちに終えることができました。 お忙しい中、ご講演くださった鈴木まもるさん、フェスティバルから一週間後のお忙しい中、事例発表や実演をしてくださった青葉おはなしフェスティバル実行委員会のみなさま、そしてご参加くださったみなさま、関係者のみなさま、ありがとうございました。
(県立図書館:「子ども読書活動推進フォーラム」担当)
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