公開

「ある和歌の歌人や出典が知りたい」など、当館では和歌に関するご質問が多く寄せられます。そこで探し方の一助として主な資料に簡単な解説のコメントをつけてご紹介いたします。とくに表記のない資料は本館1階調査相談カウンター付近にございます。こちらの資料は館内閲覧のみとなっております。書庫の資料をご希望の方は、職員までお申し付けください。ご不明な点につきましては、調査相談カウンターまでお気軽におたずねください。

和歌の総合的辞典類

  • 『和歌文学大辞典』(伊藤嘉夫他編 明治書院1962年)<911.103/13/1>

古代から昭和30年代前半までの和歌に関する総合的な辞典です。配列は五十音順。巻末に総合索引、難訓索引、文献目録、歌碑現在目録等があります。

  • 『和歌大辞典』(犬養廉他編 明治書院1986年)<911.103/12>

上代から近世までの和歌に関する総合的な辞典です。項目の配列は五十音順で、各項目には参考文献がある。巻末に年表および叢書収録歌書一覧があります。

和歌の索引類

  • 『新編国歌大観』(「新編国歌大観」編集委員会編 角川書店1983~1992年)<911.108/2A/1-1~10-2>

「万葉集」から近世までの和歌を網羅的に収録しています。各巻は歌集・索引の2冊からなり、索引は歌の第二句以降の句からも検索できます。全巻にわたる総索引はありません。

  • 『日本名歌集成』(秋山虔他編 学燈社1988年)<911.109/1>

日本の名歌を上代から近世までは歌人の活動順、近代については生年順で構成されており、一首ごとに歌意と鑑賞があります。巻末に「収集歌人解題・索引」「掲出歌索引」「収集歌書解題」があります。

  • 『典拠検索新名歌辞典』(中村薫編 明治書院2007年)<911.103/6A>

上代から近世までの名歌約8千首を五十音順に配列しています。出典作者を明示し、その歌が引用されている文献名を記載しており、掲出典籍は明治以前のものに限っています。

  • 『物語和歌総覧』索引編(久曽神昇他編 風間書房1976年)<911.108/16/2>

本文編は平安時代から江戸初期までの物語中の和歌を「創作物語」「物語歌集」「御伽草子」の三部構成で収録しています。索引編は本文編の和歌の全句索引となっています。

作品辞典・鑑賞辞典類

  • 『和歌鑑賞辞典』(窪田章一郎他編 東京堂出版1970年)<911.103/3>

古代から近世までの秀歌ならびに歴史的に著名な人物の和歌を作者五十音順に並べ鑑賞した辞典です。作者未詳歌・よみ人知らずの歌なども収録し、巻末に「和歌用語」「和歌鑑賞参考文献」「初句索引」等があります。

  • 『通解名歌辞典』(武田祐吉・土田知雄著 創拓社1990年)<911.10/5>

上代から近世までの名歌約3千首を五十音順に配列し通解しています。「和歌全句索引」「人名索引」のほか、資料として「主要歌書解題」「主要歌人略伝」「和歌史概説」「歌人系譜」等があります。

  • 『歌語例歌事典』(鳥居正博編 聖文社1988年)<911.107/26>

和歌中の歌語(見出し語)を「自然」「動物」「植物」「人とからだ」「こころと恋」「人生と生活」「文化・宗教・社会」「歌枕と地名」の8分野、94セクションに分類しています。歌語ごと例歌を時代順に掲載しています。

  • 『名歌名句大事典』(久保田淳・長島弘明編 明治書院2012年)<911.1/213>

約5千首の和歌・短歌・俳句等を季節や生活等に項目分けした文学鑑賞事典です。巻頭に「全歌全句索引」「事項索引」、巻末に「作者略伝」「短詩型文芸年表」があります。

  • 『日本歌語事典』(佐佐木幸綱他編 大修館書店1994年)<911.10/25>

古今の短歌作品延べ3万首の中から、歌語1万3千語を五十音順に配列しています。巻末に「歌語索引」「歌語逆引き索引」「収録歌人生年一覧(近世以降)」があります。

  • 『三省堂名歌名句辞典』(佐佐木幸綱・復本一郎編 三省堂2004年)<911.1/142>

「和歌・短歌編」と「俳諧・俳句編」の2部構成。和歌・短歌・歌謡は3221首で時代別作者別に編集されています。巻末に「短歌・俳句史年表」「歌・句索引」「人名索引」があります。

  • 『和歌の歌枕・地名大辞典』(吉原栄徳著 おうふう2008年)<911.1/190>

「歌枕」・「地名」の表記の正誤や比定地・用法などを検証しています。巻末には「歌枕・地名総合一覧と索引」「律令制による国・郡域(付駅家)地図と平成大合併後の都・道・府・県の市・町・村域地図」等があります。

  • 『歌ことば歌枕大辞典』(久保田淳・馬場あき子編 角川書店1999年)<911.1/35>

古典和歌に使われた「語」を「歌枕・名所」「歌題・題材」「それ以外の語」に分類し、引用和歌とともに解説しています。「語」は歴史的仮名遣いによる五十音順で配列されています。

  • 『図説・和歌と歌人の歴史事典』(井上辰雄著 遊子館2010年)<911.1/201>本館2F閲覧室

神話上の人物を含む170人の歌人の代表歌を、時代背景を織り交ぜながら解説しています。下段に人物の略歴、肖像画、関係図版等を掲載し、巻末に収録和歌の著作ごとの五十音順索引があります。

現代語訳のある文学全集類〔書庫・本館2階閲覧室〕(貸出可)

  • 『新編日本古典文学全集』(小学館1994~2002年)<918/102/1~88>本館2階閲覧室

和歌は下段に現代語訳(詞書も含む)があり、作品理解のための頭注と現代語訳の後ろに鑑賞批評があります。歌集・句集を収録した各巻に、初句索引があります。

  • 『新日本古典文学大系』(岩波書店1989~2005年)<918/20/1~100>本館2階閲覧室

和歌(詞書部分除く)は脚注に大意、語句の注、参考事項が示されています。歌集・句集を収録した各巻に初句索引があります。

  • 『新潮日本古典集成』(新潮社1976~1989年)<918/16/1~86>書庫

和歌は上段に色刷りで現代語訳があります。歌集・句集を収録した一部の巻に、初句索引があります。

Webサイト

古今和歌集から新続古今和歌集までの21種の勅撰和歌集のデータベースです。詳細検索では歌番号・書名・部立・詞書・作者等から検索できます。

勅撰集21種すべて、万葉集をはじめ「夫木和歌集」などの私撰集と主要な私家集の和歌を収録。作品集成立年順・作者名順・作品名順・語句等から検索できる。

参考資料

《編集発行》

2020.3.11
神奈川県立図書館調査閲覧課
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