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新着資料から

『日本の開国と多摩 生糸・農兵・武州一揆 歴史文化ライブラリー 503』
藤田覚著 吉川弘文館 2020年[K25.98/46]

横浜開港は、多摩地域に大きな影響を与えました。当時、八王子宿周辺まで外国人遊歩区域に指定されていたため、スイス人貿易商ブレンワルドなど多くの外国人が訪れました。生麦事件が起きると、幕府は外国人の保護を目的とした見張番所を設置させます。また、尊王攘夷運動が活発となり治安が悪化すると、幕府はこれを鎮圧する農兵を多摩地域に組織させます。このように、さまざまな形で多摩地域は負担を強いられました。さらに、麻疹や「アメリカ国の尾裂狐」と呼ばれたコレラが流行し、人々を不安に陥れました。一方、生糸の輸出が活況となり、生糸の集積地となった八王子と横浜を結ぶ道は「絹の道」といわれ、経済は豊かになりましたが、その影響で米価が高騰して貧困層を苦しめました。そこへ慶応2年(1866)の養蚕の大不作が追い討ちをかけ、横浜商人に「打ちこわし」を行なう、武州一揆が起きたと筆者は分析しています。本書は、こうした開国と多摩地域の関係をつぶさに解説しています。

『写真が語る川崎市の100年』
いき出版 2020年[K26.21/31/100]

本書は、川崎市が2024年に市制100周年を迎えることから、これまでの100年間を振り返る意味合いで作成されました。
この写真集の特徴は、写真一つ一つに詳細な説明が付いている点です。それによって、どこにでもあるようなとおりや辻が、実は交通の要衝であったり、大切な生活の場であったことを、たとえ人が写っていなくても理解することができます。
また、本写真集には祭りや伝統行事の写真が、巻頭カラーを始めとして、数多く取り上げられています。川崎市というと工業地帯のイメージが強く、近年は武蔵小杉を代表とする高層住宅街のイメージもありますが、昭和20年代までは多摩川の恩恵を受けた農村地帯が多く、豊作を祈り、収穫を祝うための行事が、多種多様に営まれていたことを写真は教えてくれます。

新着の神奈川資料

新着資料の一部をご紹介します。

タイトル 著者名 出版者 出版年 請求記号
新訂吾妻鏡 4 頼朝将軍記 4 頼家将軍記 建久三年1192~建仁三年1203 髙橋秀樹編 和泉書院 2020 K24/497/4
古地図で楽しむ富士山 爽BOOKS 大高康正編著 風媒社 2020 K291/901
源氏かたな旅 刀剣聖地巡礼ガイド 刀剣画報BOOKS ホビージャパン 2020 K291/902
相模原事件・裁判傍聴記 「役に立ちたい」と「障害者ヘイト」のあいだ 雨宮処凛著 太田出版 2020 K32.54/2
福祉の旅路 障害者の自立生活を支援する 川島美行著 幻冬舎メディアコンサルティング 2020 K36.31/83
パンドラの箱は閉じられたのか 相模原障害者殺傷事件は終わっていない 月刊『創』編集部編 創出版 2020 K36.54/60
富士山噴火の考古学 火山と人類の共生史 富士山考古学研究会編 吉川弘文館 2020 K45/296
究極の「三方良し」経営 日本一の美容医療グループ達成の原動力 相川佳之著 アチーブメント 2020 K49.52/21
地図で読み解く小田急沿線 岡田直監修 三才ブックス 2020 K68/641
梶山関山と三浦乾也一門 梶山良助没後100年追善、電信用碍子国産化150年記念 三武英行著 右文書院 2020 K70.63/1
桂歌丸正調まくら語り 芸に厳しく、お客にやさしく 竹書房文庫 桂歌丸著 竹書房 2020 K77.1/125
文学の認知空間 近代日本文学と東京 佐藤義雄著 蒼丘書林 2020 K91/134
今ひとたびの高見順 最後の文士とその時代 山田邦紀著 現代書館 2020 K97/187
心友 素顔の井上ひさし 小川荘六著 作品社 2020 K97/188