神奈川県立図書館では、2月1日より3回の連続講座として「人生100歳時代」の学びを支援する大人の社会科を行いました。
1回目の2月1日の「暮らしの法律~お金と人権~」では、横浜で弁護士事務所を構えご活躍されている齋藤宙也弁護士をお迎えし、身近な法律についてご講義いただきました。法律上におけるお金とは何かというお話から入り、子どもとお金、財産管理や相続など、さまざまな法律を幅広くご紹介いただきました。
受講者はレジュメにメモを取りながら真剣に受講されていて、法律を学び始めるきっかけになったようでした。
2回目の2月15日の「境界の日本史」では、文化庁で文化財調査官として研究に携わられている近江俊秀氏・森先一貴氏のお二方から、日本の古代史と地域の特徴の多様性について、ご講義いただきました。最新の遺跡の発掘調査を基にしたお話は、自分が学生時代に学んだことから変化していることもあり、とても興味深かったです。軽妙な語り口で、スライドを活用したお話に、受講者は引き込まれているご様子でした。
アンケートでは、ぜひまた同じ先生で講座を行って欲しいというご意見も多くいただきました。
3回目の2月22日の「ヘンな論文」では、学者芸人のサンキュータツオ氏に学術論文の楽しみ方をご講義いただきました。当日は情勢を反映して、参加者全員のマスクの着用やアルコール消毒や換気など、万全を期して行いました。講師のサンキュータツオ氏自らもマスク着用の上でのお話でしたが、さすがの語り口で、受講生からは度々笑いが上がっていました。
査読や論文誌とは何かということなどの基礎知識についてのお話から始まり、中学生の自由研究や大学生の卒業論文、大学教授の論文まで、さまざまな面白い論文をご紹介いただきました。身近なところや個人の興味の中から研究テーマは生まれ、研究は何歳からでも始められるのだと思いました。会場に神奈川県立図書館で所蔵する関連論文を展示したところ、講義の中でもご紹介いただき、多くの受講者のみなさんに論文に興味を持っていただくことができました。
今回の3回の講座はそれぞれ違うテーマで行いましたが、どの講座も新しい学びのきっかけづくりになったのではないかと思います。
神奈川県立図書館は新型コロナウイルス県内感染拡大防止の観点から、現在サービスを一部停止中です。早くまた、利用者の皆様のさらなる学習支援と学びのきっかけづくりをできるよう、一日も早い新型コロナウイルスの感染の鎮静化を祈っています。
(県立図書館:「大人の社会課」講座担当)
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