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講演の様子 神奈川県立図書館・音楽堂は築65年の建物で、実は、戦後モダニズム建築の巨匠とされる前川國男さんの代表建築作品のうちのひとつです。10月10日の休館日に行った「図書館建築ツアー(館内撮影OK)」は、そんな図書館の建物そのものに焦点を当てたイベントです。昨年度のご好評を受けて第2回目の開催となり、今回も多くの方にご応募いただきました。

イベントでは65年前の建設時の記録映像を観たあと、司書による建築の解説ツアーを行い、休憩をはさんで館内を撮影できる時間を設けました。記録映像は無音のため、音楽好きの前川さんがとくに好んだとされる曲をBGMとして流しました。ツアーは短い時間でしたが、前川さんが建築時にこだわった点や、建設当初から建物の環境がどのように変わってきたかなど、参加しなければ知ることができない情報を詰め込みました。写真撮影時には、普段は入ることはできない(しかし絶対に見ておきたい!)一風変わった書庫も存分に撮影していただき、「想像以上に楽しかった」「この建物で働いている司書に案内してもらえて良かった」などの感想をいただきました。

今年の春から、当館本館外構改修工事を隣接する青少年センターの「もみじ坂景観改善工事」と連携しながら行い、図書館創建当初の様子に近づきました。 図書館の閲覧室から臨む「静かな奥庭」の遊歩道整備や、開館当初のデザインに近い街灯の設置などを行ったため、県立図書館に通い慣れている方も初めていらした方も、それぞれに楽しむことができたのではないでしょうか。
整備されたことをきっかけに、紅葉坂の公共文化施設が連携して行った「紅葉ケ丘まいらん」ではさまざまなイベントが企画され、図書館建築ツアーもその対象イベントのうちのひとつでした。残念ながら台風の影響で中止せざるを得ないイベントも多数ございましたが、スタンプラリーと連動して各館オリジナルグッズのプレゼントなども行われ、「頑張ってスタンプ集めなきゃ」と意気込む参加者の姿もちらほら。

建物の歴史や作り手のこだわりを知ると、何とも思っていなかった景色が突然、新鮮なものに見えてきます。ご参加いただいた皆様に、少しでも建築の楽しみをお伝えできていたら嬉しいです。

(県立図書館:イルカにのった司書)