1.基本方針(平成30年度から令和3年度)

「ものづくり技術」を支える機能に特化した専門的図書館として利用者のニーズに応えるとともに、SDGsの理念をふまえ、人生100歳時代に向け、県民一人ひとりの生涯にわたる「学び」や社会参加等を支援することを目的とし、次の基本方針を定める。

  1. 県立図書館との機能及びサービスの分担のもと、共に補完しあいながら県立の図書館として一体的な運用を行う。
  2. 科学技術の最新動向を踏まえて資料・情報を収集・保存・提供し、県民に役立つ図書館サービスを展開して有用な「知の拠点」を築き、「調査研究活動」を支援する図書館サービスを展開して「価値創造」に結びつける。
  3. 「ものづくり技術」の高度化や、技術開発のバックアップという県民のニーズに応えるため、ものづくり技術関連資料の収集を一層強化し、電子ジャーナルによる最先端の情報から専門書、知的財産・規格資料まで、「ものづくり技術」を学び、活かし、拓く資料等の収集、提供を積極的に行なう。
  4. 県内産業関係団体、県内産業技術教育機関、県内試験研究機関、市町村図書館・大学図書館・高校図書館と密接な連携を図って、知的財産等に係る支援、相互の周知啓発活動、資料の相互貸借や図書館職員の人材育成などに努め、県域全体を支える図書館としての機能を充実させる。
  5. 所蔵資料を活用した館内展示や各種講演会、講座、子ども実験教室、ものづくり支援相談などを企画・開催し、県立の図書館ホームページを始めとする様々なメディアを活用した発信に努め、人々の知的好奇心に応える多彩で魅力的な「知の機会」を提供する。
  6. 生涯を通じた「学び」と研究を可能にするために必要な資料、情報を、適切かつ快適な環境で提供するとともに、利用者がICT(情報通信技術)を活用できるよう、機会をとらえ県民の情報リテラシー向上を支援する。 また、「知の機会の提供」に加えて「研究成果の活用」の支援拠点としての機能を果たすことに力を注ぎ、人生100歳時代の「人づくり・社会づくり」に寄与する。
  7. 図書館利用に障がいのある方々(障がい者、高齢者、外国人など)に配慮し、図書館の設備、資料、情報をより利用しやすくなるよう、個々の状況に応じ、工夫してサービスの提供を進める。
  8. 図書館活動について常に「P<計画>→D<実施>→C<点検(評価)>→A<見直し>」のサイクルで業務の見直しを図り、図書館経営の持続的な改善を行う。また、県民からの意見・要望を真摯に受け止め、「開かれた図書館」としての運営を行う。

2.令和2年度重点的な取り組み

  1. 「新しい生活様式」における円滑な図書館運営の実現
    来館者がコロナウイルス感染症に感染しないよう万全な対策を講じながら、基本方針に基づき、県立川崎図書館の魅力や役割等を実現するためサービスを円滑に提供できるように努める。
  2. 県内産業団体等との連携の強化
    「ものづくり技術」の支援を促進していくため、県内産業団体・企業や産業技術の教育機関等との連携の強化に努める。
  3. 電子ジャーナル等の利用の促進
    公共図書館で全国に先駆けて導入した電子ジャーナルや外部データベース等の電子情報の有用性の周知に努め、講演会や出前講習会などを実施し、利用促進を図る。
  4. 特許・規格・社史の収集強化
    「ものづくり技術」を支える資料としての特許・規格を含む科学技術資料群を充実するともに、全国有数のコレクションである社史の収集・整備を進める。
  5. 女性関連資料の整備と有効活用
    男女共同参画社会の実現に向けて、あらゆる分野の女性関連資料を収集するとともに、他領域の県立図書館資料とあわせて有効活用されるよう、資料の整備を進める。
  6. 資料利活用のための保存機能の強化
    貴重な収蔵資料を確実に将来に引き継ぐとともに、現在から将来にわたる利活用を保障するため、資料の保存対策を検討、実施する。
  7. 行政支援サービス
    神奈川の地域課題の解決や未来の社会づくりに貢献し、行政実務の遂行を支援するため、特に県内試験研究機関や高校図書館へ資料提供やレファレンスによる情報提供を行う。
  8. レファレンスサービス
    レファレンスツールとなる資料の集積や、職員による電子ジャーナル、オンライン外部データベースの活用を図る。併せて、様々な機会を利用して職員のレファレンス能力の向上に努める。また、サービスの内容やその成果についての広報を強化し、「国立国会図書館レファレンス協同データベース」への事例提供を引き続き進める。
  9. 県民の「学び直し」を応援
    人生100歳時代に向け、図書館が生涯を通じた「学び」と探求のきっかけづくりや県民の「学び直し」を支援するため、「大人の理科教室」などの講座を開催するとともに、「子ども科学実験室」などの「学び」の場の提供を行う。
  10. 図書館利用に障がいを持つ人々へのサービス
    全ての人々が、利用しやすい施設であるように、館内の案内サイン、外国語の利用案内などの整備に努めるとともに、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」の基本的な考え方に基づきサービスの向上を目指す。
  11. 図書館専門職員の人材育成
    県域全体で質の高い図書館サービスを提供するため、市町村立図書館、県立学校図書館、専門図書館等の職員の能力開発や人材育成支援について、関係機関との連携の下に積極的に取り組むとともに、経験者選考で採用された職員のノウハウも業務運営に反映するよう努めていく。
  12. 各事業の着実な実施及び広報・情報発信の強化
    新たな利用者層を掘り起こすためのPR メディアとして、ポスター、チラシ、ホームページ等を活用する。また、自館作成の刊行物や県の広報媒体など、各種のメディアを使って情報発信に努める。

3.事業体系図および事業計画

事業体系図および事業計画(PDF形式:220KB)