明治以降約150年間のベストセラー・コレクションで、展示などに県内外からも広く利用されています。現在は、毎年の書籍売り上げ上位20位までを継続収集しており、1900冊を越えるこれらの資料群は、世俗・文化の推移を知る上で貴重であるといえましょう。

明治3年に尚古堂から刊行された福澤諭吉の「西洋事情」は、明治期初のベストセラーです。偽書が横行したため、福澤自身が大阪府知事に取締りを要望したといういわく付きの本でした。また、戦後初のベストセラーは「日米会話手帳」(科学教材社 1945年刊)で、360万部も売れています。

ベストセラーの時代的傾向として、1940年代は戦中の真相を伝える「旋風二十年」「愛情はふる星のごとく」などが読まれ、同時に戦後の生き方を模索する「ものの見方について」がベストセラーになりました。

ベストセラーズ文庫の写真

1950年代は「太陽の季節」「挽歌」「美徳のよろめき」のほか、戦後作家の開花時代であり、1960年代は経済的なゆとりを背景に「性生活の知恵」「国民百科事典」「頭の体操」などが、1970年代は繁栄の中の翳りとともに「日本列島改造論」「恍惚の人」などが読まれました。

1980年代は「窓際のトットちゃん」が大人気になるなどタレント本が目立ち、1990年代はマルチメディア時代と言われるようになりました。

なお、ベストセラー文庫は館内のみの利用になり、館外貸出はしておりません。調査相談カウンター(本館1階 電話番号:045-263-5901)にお問い合せください。

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