受賞作はそれぞれの時代において社会的に高い評価を得た作品であり、時代の世相や潮流を反映したという意味でも貴重な資料といえるでしょう。

当館では継続的に文学賞の受賞作を収集しておりますが、小説という分類の中に受賞作も含んで配架していたため、せっかく収集している受賞作が一目では分からない状態でした。そこで、受賞作をもっと知ってもらうため、平成26(2014)年4月に、芥川賞、直木賞、乱歩賞、川端賞を集めた受賞作コーナーを設立しました。さらに、コーナー開設にあたって入手した「受賞帯」付の受賞作を活用し、同年10月、当コレクションの創設に至りました。

文学賞帯付本コレクションの写真

コレクションの収集対象は芥川賞と直木賞です。両賞は昭和10(1935)年に制定され、150回以上にわたって続けられてきた由緒ある文学賞です。

当コレクションでは、毎年2回発表される新たな受賞作の収集を行いつつ、随時、欠本の補充にも努めております。『山塔』や『鯨神』など、現在では入手困難とされる貴重な作品から、『火花』などの近年の話題作まで、刊行当時の装幀を損なわない形で保存をしています。

また、同時にコレクションの複本として芥川賞と直木賞の著者署名入り受賞作の収集も行っており、北村薫の署名の入った『鷺と雪』が所蔵されています。

なお、文学賞帯付本コレクションは館内のみの利用となります。詳細につきましては調査相談カウンター(本館1階 電話番号:045-263-5901)にお問い合せください。

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